特集 ―現場の疑問に答えます!―アロマ実践のための「あれ」「これ」
アロマをどう使っていますか?
⑤日本赤十字社医療センター 分娩室
田中 律子
1,2
1日本アロマ環境協会
2日本赤十字社医療センター
pp.717-721
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100257
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Q1 アロマセラピーを周産期領域の現場に導入したきっかけは何ですか?
A 私が現在勤務している分娩室に異動してきた1998年頃には,すでに臨床の場にアロマセラピーは取り入れられていました。助産院の経験のあるスタッフが,病院に持ち込んだのが始まりです。1990年には,その助産院では知り合いの鍼灸師さんが英国で購入してきた精油を使っていました。気分転換のためのラベンダーと,産後の会陰浮腫軽減のためのサイプレスの2種類だけでしたが,産婦さんや褥婦さんに使用し,自分も体験して,効果があると思ったそうです。その人が,1993年に現在の病院に戻ってきた際,出産の環境にも気を配ろうと,香りを取り入れたのが最初です。
その当時は分娩室のなかで足浴が行なわれること自体,ほとんどなかったようです。そのスタッフは,前期破水して分娩が停滞していた産婦さんを受け持ったとき,足の冷えに気づいて足浴を行なってみて,それだけではいまひとつ緊張感がとれないと感じ,自分用に持っていたラベンダーを数滴垂らしてみたのだそうです。すると,産婦さんは「とてもいい香り」と気持ち良さそうにし,余分な力が抜けて分娩が進行したそうです。
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