Current Focus ●妊娠・出産
[インタビュー]南米アマゾンに住むヤノマミ族の妊娠・出産―ガブリエル・ホルゾック・シュレイダーさんに聞く
Gabriele Herzog-Schröder
1
,
河合 蘭
2
Gabriele Herzog-Schröder
1
1ドイツ・文化人類学者
2出産医療ライター
pp.524-528
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100226
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ガブリエルさんは南米アマゾンに住むヤノマミ族(Yanomami)たちの女性や生殖に魅せられ,調査を重ねてきた文化人類学者だ。ヤノマミは25,000人ほどの狩猟採集・焼き畑農業を営む人々で,40~200人で1つの村を形成している。1970~1990年代に鉱物目当ての侵入があり深刻な被害があったが,国際的な支援運動により再生の道を歩き出した。
ガブリエルさんは昨夏「文化としてのリプロダクション研究会」の要請で来日された。その時,北海道は大雪山の研修でお聞きしたあまりに魅力的な発表は,今思い出しても胸が高鳴る。ヤノマミの世界は私たちの住む世界とまったく違うようだが,しかし彼らの世界は,私に熱い思いを喚起する。それは,自分の奥底に残っている原始宗教の感覚にカチャリと接続して強く刺激するためだ。ヤノマミの文化はシャーマニズム文化なのだが,日本もまたシャーマン文化を内包している国の1つである。ガブリエルさんにそう言うと,こんな言葉が返ってきた。「ドイツ人の私でもそう。私たちはみんな原初的な存在なのよ」
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