連載 今月のニュース診断
病院経営も変わらなければ!―変化する市場,市場での存在感の確立,市場と対話する責任
田倉 智之
1
1(株)三菱総合研究所ヘルスケアソリューショングループ
pp.374-375
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100199
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経営手法に一石
巷を賑わすライブドアとフジの話題は,企業の所有者や社会的な責任のあり方をオープンに議論することとなり,日本の経営手法に一石を投じている。そこで,このような観点から,将来の医療機関の経営を論じてみたい。
最近も“大手チェーンの傘下で事実上の倒産から再出発”というニュース(日経ヘルスケア21,2005.01)を目にしたばかりである。ある統計資料(帝国データバンク)を調べたところ,医療機関の倒産件数は年間40件程度で推移しており,昨年は過去最悪であった2002年に近い46件(その負債総額は年間204億円)となっている。その倒産様態は,従来「任意整理」が約6割程度であったが,最近「破産」がトップを占めるようになっている。なお,その「破産」の理由として「放漫経営」が減少する一方で,「販売不振」が最多を占めるようになっている。このことは,医療機関の経営を取り巻く環境が厳しくなったことを端的に示していると言える。
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