連載 フィールドワーク往復絵手紙・3
サナアの市場と食生活
伊達 潤子
1
1山口大学大学院医学研究科(博士課程)
pp.270-273
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100466
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前回の「サナアの街と水事情」をご覧になった読者は,イエメンは砂漠ばかりの不毛の地だ,と思われたかもしれないが,それは誤解である。盆地になっているサナアを出て,低地へ降りていくと,緑が一挙に広がっている(写真1)。イエメンは中東でも「緑のアラビア」といわれる国なのである。サナアの近郊では野菜が作られ,サナアの外に広がる台地では,ブドウやリンゴが特産物である。これらイエメン各地方の農作物や肉・魚の,ほとんどの種類が,サナアに運ばれてきて売られることになる。
写真2はサナアの中央生鮮市場,アルガー市場の広場だ。なかをのぞいてみると,キャベツ・紫タマネギ・ウリ・ニラなどが手前に,道の反対側には,オレンジ・バナナなどが売られている(写真3)。また,市場のかたすみで,低地から持ってきたパパイヤなどの果物を,車にのせた状態のまま,販売していることもある(写真4)。
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