連載 みんなで活かそう! 私たち保健師のコアバリューとコアコンピテンシー・3
「ポピュレーションベースのアセスメントと分析」「健康増進・予防活動の実践」
和泉 比佐子
1
,
佐伯 和子
2
,
冨山 紀代美
3
,
井口 理
4
,
吉村 史子
5
,
竹中 香名子
6
1神戸大学大学院保健学研究科
2富山県立大学看護学部
3デパート健康保険組合
4日本赤十字看護大学
5福岡市南区保健福祉センター
6愛知学院大学健康科学部健康科学科
pp.534-540
発行日 2024年12月10日
Published Date 2024/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664202126
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コアコンピテンシー3「ポピュレーションベースのアセスメントと分析」
定義 対象となる人々/コミュニティの特性や実態を多角的に捉え、横断的/縦断的なアセスメントと分析により、顕在的/潜在的なニーズと優先度を明確化する。
和泉比佐子(神戸大学大学院保健学研究科教授)、佐伯和子(富山県立大学看護学部教授)
教えて、これってどんなコア?
ポピュレーション(population)とは、ある特定の国や地域に居住するすべての人々を指し、人口集団あるいは母集団1)とも表現されます。すべての人々とは、性別や年齢、健康度等に関わらず全員という意味です。今回のコアコンピテンシー(以下、コア)である「ポピュレーションベースのアセスメントと分析」は、保健師活動におけるPDCAサイクルを展開する出発点となるコアを示しています。米国の公衆衛生看護のコアの枠組み2)にもアセスメントを指す「みる」に特化したコアが位置付けられ、特有の技能が求められることから、「計画」を含まず独立させたコアとしています。
「ポピュレーションベース」とは、国連の持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)に掲げられているように“誰一人取り残さない(leave no one behind)”3)で、すべての人の健康を実現するために、個を大事に、そして常にポピュレーションを視野に入れながら、臨機応変に個人やコミュニティ、システムにフォーカスして包括的に事象を見る原則を指します。
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