特集 健康増進
地域における健康増進活動—(事例3)のどかな田園地方における健康管理活動(兵庫県加西市健康増進センター)
岩本 芳男
1
1兵庫県加西市健康増進センター
pp.352-357
発行日 1977年5月15日
Published Date 1977/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205387
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はじめに
健康増進センターの運営方法は,中央センター(県地域A型)と小地域センター(市町地域B型)に分類されるのが当然であろう.すなわち,中央センターでは基礎的研究,指導者養成,データ管理などに重点がおかれるべきであろうし,小地域センターでは住民一人ひとりに対する指導の普及と徹底が要求されるであろう.
緑と光と土地に恵まれている田園都市,加西市の市民には大都市の人々のような切実な健康阻害感がなく(実際には有病率,脳卒中死亡,運動不足状態など大都市と変わりないが),したがって健康増進に対する関心はあまり高くなかった.そこで私どもは昭和48年4月の開設以来,兵庫県衛生部,県立加西保健所の指導のもとに,市民に安い費用で新しいヘルスサービスを提供するとともに,地域の農協,公民館,市医師会,老人会,婦人会などと連携して健康増進に努力を傾けてきた.その甲斐あって3年後には,健康増進センターは加西市民(人口約5万)の88%に知られ,そのうち30%の市民に利用されるようになり,地域に定着してきた.以下,健康教育を重視した運営の概要を述べる.
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