連載 みんなで活かそう! 私たち保健師のコアバリューとコアコンピテンシー・2
「プロフェッショナルとしての自律と責任」「科学的探究と情報・科学技術の活用」
岡本 玲子
1
,
前田 香
2
,
遠藤 雅幸
3
,
古橋 完美
4
,
大森 純子
5,6
1大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻
2福島県保健福祉部健康づくり推進課
3川崎市立看護大学
4愛知県瀬戸保健所健康支援課
5聖路加国際大学大学院看護学研究科
6日本公衆衛生学会公衆衛生看護のあり方に関する委員会
pp.428-434
発行日 2024年10月10日
Published Date 2024/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664202105
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コアコンピテンシー1「プロフェッショナルとしての自律と責任」
定義 保健師としての責任を自覚し、自身の知識・技術の開発・更新を図り、社会的信用を確保するとともに、専門性を高める。
岡本玲子(大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻教授)、前田 香(福島県保健福祉部健康づくり推進課主幹)
教えて、これってどんなコア?
プロフェッショナル(professional:以下、プロ)には、専門職の、本職の、などの意味があります。日本看護科学学会の用語集(JANSpedia)では、専門職(profession)について、「高い水準の能力を有し、専門的な知識や技術を維持・拡大する責任があり、利他主義、自律性、人間としての尊厳、専門職倫理、公平性などの価値観を基盤に専門的職業を行う者」1)としています。今回のコアコンピテンシー(以下、コア)である「プロフェッショナルとしての自律と責任」は、まぎれもなく、そのプロとしてのコアを示すものです。
それは、前回解説した保健師の3つのコアバリュー、すなわち人々/コミュニティを対象として「健康の社会的公正」「人権と自律」「健康と安全」を衛ることを倫理的な基盤とし、社会の安寧に向けてプロとして自律的に行動する能力、およびプロとして自身/自職種の継続的質改善を実行する能力です。これは、国家資格を有するプロとしての質を保証する、あるいは自身で人的社会資源としての品質管理をする能力とも言えるでしょう。保健師が名称独占資格であり、それゆえ保健師が社会的な信用力を確保するために、社会に明示しなければならないコアであるとも言えます。
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