連載 とらうべ
医療記録の開示をすすめるということ
桜井 隆
1,2
1さくらいクリニック
2医療記録の開示をすすめる医師の会
pp.5
発行日 1999年1月25日
Published Date 1999/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902084
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医療情報の公開,開示に関する要請が高まっている.厚生省からは1997年6月の「レセプト開示の通達」に続いて,98年6月「カルテ等診療情報の活用に関する検討会」報告書が出され,カルテ開示法制化へ向けて一歩踏み出した感がある.また薬剤情報提供料や入退院時の指導料等診療報酬にも情報提供のコストが算定されるようになって来た.このように,行政サイドから次々と出される医療情報開示制度化への波.
一方,患者,市民からは医療情報に対するアクセス権,情報開示に基づいた医療の自己決定権を求める動きが活発化している.出産時の死亡事故に関して陣痛促進剤使用をめぐっての裁判をきっかけとした市民運動が,厚生省のレセプト開示通達の実現に大きな力となったことは記憶に新しい.われわれ医療者はこのような情報開示の大きな流れにどのように対応すればよいのだろうか.
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