連載 新・健康格差社会 どこまで解明・対策は進んだか・2
何が心と健康を蝕むのか②—健康格差縮小のための残された課題
近藤 克則
1,2
1千葉大学予防医学センター社会予防医学研究部門
2国立長寿医療研究センター老年学・社会科学研究センター老年学評価研究部
pp.526-531
発行日 2021年6月10日
Published Date 2021/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201681
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ライフコースの影響
健康格差の改善に一世代掛かる理由
WHOの「健康の社会的決定要因に関する委員会」最終報告書1)のタイトルは,「一世代のうちに格差をなくそう:健康の社会的決定要因に対する取り組みを通じた健康の公平性」である。一世代と言えば,30年前後である。ずいぶんと長期の話だと感じるかもしれない。しかし,ライフコースの影響の大きさを知ると,それが長期でも,大げさでもないことが分かる。
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.