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巡回健診における当日特定保健指導およびミニ保健指導—聖隷福祉事業団保健事業部の実践
大橋 慧子
1
1聖隷福祉事業団保健事業部営業契約室営業契約課
pp.541-543,590-594
発行日 2019年7月10日
Published Date 2019/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201229
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はじめに
「高齢者の医療確保に関する法律」に基づき,2008(平成20)年4月から保険者に実施が義務付けられた特定健診・特定保健指導は,2018(平成30)年に入って10年が経過した。特定保健指導の全保険者実施率は2017(平成29)年度時点で19.5%であり,厚生労働省の掲げる目標値の45%以上とは依然として乖離が見られる。後期高齢者支援金の加算・減算制度の導入も加わり,保険者にとっては実施率の向上が急務となっている。
また,企業では健康経営優良法人を評価する仕組みや法制度の後押しもあり,健康経営への取り組みが注目されてきている。しかしながら,多くの企業では従業員の健康維持・増進施策を計画・実施する際に,「何から取り組んでよいか分からない」「産業保健スタッフなどの適当な人材確保が困難」といった課題を抱えている。
本稿では,健診機関である聖隷福祉事業団保健事業部(以下,当事業部)が,保険者と企業が抱える課題の解決への支援として提案する「巡回健診における特定保健指導初回面接分割実施」と,特定保健指導対象者以外にも健康への意識付けを行う「ミニ保健指導」について報告する。
聖隷福祉事業団保健事業部では,巡回健診において当日特定保健指導および保健指導対象者以外にも「ミニ保健指導」を実施している。企業での健診と同時に行う効率的な保健指導,および企業の健康課題を踏まえた効果的な保健指導の実施のために,企業との調整を担う渉外担当者と専門職の連携を重視した運用を構築した。実施に向けた取り組みと当日の内容について紹介する。
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