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■はじめに
急性期医療や周産期医療に力を入れている聖隷浜松病院は,病床数750床,職員数約2,000人を擁する静岡県西部医療圏の急性期基幹病院である(図1).診療科は62科(標榜科35科)に及び,救命救急センター,総合周産期母子医療センター,地域がん診療連携拠点病院などの施設認定を受けている.高度急性期医療を中心に,総合診療内科などの地域に根ざした診療も行っている.また診療体系の特色として脳卒中センター・循環器センター・腎センターなどの複数科横断的な体制や,NST(栄養サポートチーム)・RST(呼吸サポートチーム)・緩和ケアチーム・臨床研究管理センターなどの組織横断的なサポート体制も整っている.救急や手術症例も豊富で,超急性期疾患から慢性疾患,頻度の高い症例から稀な症例まで質の高い医療を提供している.
2016年8月,第4期増築計画が,医局管理棟も含めて竣工した.2006年より検討され,完成まで実に10年をかけた壮大な計画である.延床面積約7万m2,建築面積約1.2万m2という大規模病院の医療活動をさまざまな工夫により止めることなく工事を進めてきた.
この計画期間中,医療の質の向上を目指し2012年7月に日本医療機能評価機構の4回目となる病院機能評価Ver.6の審査を受け認定されただけでなく,世界標準の「医療の質と患者安全の継続的な改善」を目的として2012年11月にはJCI(国際的医療機能評価機関)の認証を国内では5番目,関東地区以外では初めて取得した.さらに,2015年には,更新審査を受審し合格している.
本稿では,「聖隷浜松病院が自院のあるべき姿を追求し,さまざまな面から将来を見据えた取り組みを行い,地域の中で選ばれ続ける病院」をコンセプトとする第4期増築計画を中心に紹介する.
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