連載 アーキテクチャー×マネジメント・23
社会福祉法人 聖隷福祉事業団 特別養護老人 ホームいなさ愛光園
石井 敏
1
1東北工業大学工学部建築学科
pp.832-837
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210350
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■はじめに
特別養護老人ホーム「いなさ愛光園」は2016年に開設20年目を迎えた.同園は静岡県浜松市中心部から北に約20kmの旧引佐郡引佐町に位置する.2005年に浜松市に編入合併し,現在に至る.新東名高速道路のインターチェンジも近くに整備されるなど,周辺を取り巻く風景はこの20年で大きく変わった(図1).
当時,高齢者保健福祉計画の具体化のため,特別養護老人ホームの設置を必要としていた旧引佐町では町有地を無償貸与する形で,社会福祉事業運営に実績のある社会福祉法人聖隷福祉事業団に設置・運営を依頼した.キリスト教精神に基づく「隣人愛」が理念の同法人は,昭和初期,結核治療と予防に尽力してきた.その後は時代と地域ニーズに応えながら大きく発展し,現在では浜松市を本拠地として145施設,297事業を1都8県で展開,職員数13,500名余を抱える大法人となっている.聖隷三方原病院(934床)は有名だが,保健,医療,福祉・介護サービスを柱とする「ヒューマンサービス」を広く実践・展開している.高齢者介護サービスでは,「いなさ愛光園」を含めて特養18カ所,老健3カ所,有料老人ホーム12カ所などを運営している.設計は医療福祉建築の設計に実績のある公共施設研究所があたった.
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