連載 ナカイタ発 保健師へのつぶやき・66
健康になる権利を守る活動の日常化
中板 育美
1
1武蔵野大学
pp.1057
発行日 2018年12月10日
Published Date 2018/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201080
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行政の運営・経営にも関わる行政の保健師には,保健・医療・福祉・経済そして人々の安全などを俯瞰し,他の領域間との調整をしながら保健活動の優先度を検討して健康水準を高める役割があります。言うまでもなく大切なのは,健診やレセプトなどの健康情報と地域の生活関連情報をうまく統合・調整し,予測しうる健康被害や健康状態の悪化に対する施策を打ち出し,施策の実行,評価,見直し,再施策化の仕組みが日常の保健活動に定着することです。
幅広い年代・疾患を対象とする中では,個々のヘルスリテラシーや家族の力動を判断してセルフケア能力を最大限に引き出し,持続可能な健康行動を導く活動が重要です。また,医療機関や,学校,地域の事業所など,専門・非専門家を問わずソーシャルキャピタルが生かされ,一方通行ではなく互いに気付き合い健康行動が導かれるまちづくりが重要であり,これら双方の活動がセットです。
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