連載 統括保健師の日々・28
—鹿児島県の場合②—中堅期保健師研修会の取り組み—地域全体で人材を育成するためのサポート
川﨑 誉代
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1鹿児島県くらし保健福祉部子ども家庭課
pp.879
発行日 2018年10月10日
Published Date 2018/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201039
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前回は,組織再編で分散配置や業務分担が進む中で,保健師本来の地域活動ができずに悩みを抱える県保健師の話を紹介しました。今回は,筆者が自慢する大隅地域の市町の保健師とともに行った人材育成の取り組みについて紹介します。
大隅地域とは,九州南端の2つの半島のうち,宮崎県側の大隅半島にある所管地域です。その面積は東京都とほぼ同じで,本所機能の鹿屋保健所(保健師11名)と支所機能の志布志保健所(保健師4名)があります。統括保健師は鹿屋保健所に配置され,地域の保健師の人材育成などを担っています。大隅地域の管轄自治体数は4市5町で,総人口は2017(平成29)年10月現在で約23万人,平均高齢化率は34.2%,高齢化率1位の町は46.6%となっています。大隅地域で高齢化率40%を超えた4市町は,鹿児島県内の高齢化率の上位10位以内に入っており,少子高齢化,人口減は深刻で,既に関係者は2040年問題への危機感を深めている過疎の地域となっています。
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