連載 見たい統計 自在に分析! 保健医療福祉計画データウェアハウス・6
人口動態統計(死亡)
岡本 悦司
1
1福知山公立大学地域経営学部
pp.880-885
発行日 2018年10月10日
Published Date 2018/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201040
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出生と並んで人口動態統計の重要な項目が死亡である。国際疾病分類(ICD)も元々は正確な死因統計をとるために開発されたもので,現在のICD-10は1995年以来24年にわたって使われており,今年はおそらくその最後の年となる(WHOはICD-11を6月18日に公開したので,わが国人口統計への導入は来年と思われる)。24年とは歴代ICDの中でも最長寿であり,しかもe-Stat*1でデータが提供されるようになった期間でもある。疾病分類が一貫していれば,それをデータウェアハウス化(以下,DWH化)して一貫した長期観察が可能となる。
人口動態統計で重要なものは「保管表」である。たとえば市区町村別のような報告書に掲載しきれない詳細な統計表を指し,かつては統計情報部に赴いて閲覧やコピーをするしかなかった。実物はコンピューターのプリントアウト紙を束ねた厚さ数十cmもあるもので,膨大な百円玉を持参してコインコピー機に乗せてコピーする,という大変な作業も今となっては懐かしい。こうした保管表がe-Stat上でCSV*2やEXCEL形式で提供されるようになったことが,DWH化を可能にした(市区町村別データをDWH化すれば,都道府県単位の報告書掲載の統計表は不要となる)。
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