連載 事例を通して学ぶ 悩める妊婦の相談対応・2
相談力アップをめざすカウンセリング技法の理論と質的調査結果の報告
橋本 栄里子
1
,
田口 朝子
2
,
田尻 由貴子
3,4
1(株)枝林舎
2NPO法人円ブリオ基金センター
3スタディライフ熊本
4前・慈恵病院看護部
pp.436-443
発行日 2017年5月10日
Published Date 2017/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200695
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厚生労働省の資料「妊娠・出産包括支援モデル事業の取り組み」1)にあるように,妊娠期から子育てまでの切れ目ない支援をめざした取り組みが全国各地で広がっている。そのような背景には,産まれて間もない乳児の虐待死や遺棄事件があり,社会的にまた精神的に大きな問題や事情を抱えた妊婦・産婦の増加がある。国も市町村も,どのように妊娠期から出産・育児までの期間を支えるのか,実行力と効果のある対策をとることが必至の課題となっている。
日本ではじめての赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」が2006(平成18)年に慈恵病院に設置されてから今年で11年目となる。赤ちゃんポストが設置されてから,同院の24時間フリーダイアルの電話相談と来所による面談の件数が飛躍的に増加したことが報告されている2)。しかし,一民間病院の取り組みにも限界がある。
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