連載 統括保健師の日々・16
―郡山市の場合④―「孤独」と「葛藤」の先にある「達成感」
斎藤 恵子
1
1郡山市保健所総務課保健師・助産師・看護師支援係
pp.435
発行日 2017年5月10日
Published Date 2017/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200694
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「この店も今年で22周年よ」と話したのは,会席料理店の和服姿の女将である。この店はカウンターだけで,10名も座れば満席であり,女将は1人で切り盛りしている。今日まで「孤独」「葛藤」の連続だったと,女将の口から意外なほど淋しい言葉が出るが,表情はけっして暗くない。
その理由を尋ねると,「なじみのお客の足が遠のくと,何か失敗したかと落ち込むけど,また来てくれると美味しいものを提供しようと元気が出る。よい食材で,新しい料理,お客に合った料理を出そうとすると,経営も考える自分の中の“厳しい自分”との葛藤があるわ。葛藤は自分を高めるために必要な過程よね」と話す。
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