かかりつけ医のための家庭医療学・10
カウンセリング技法
飯島 克巳
1
1いいじまクリニック
pp.957-961
発行日 2001年10月15日
Published Date 2001/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903373
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1.長期にわたる説明困難な身体症状unexplained physical synptomsを訴えて受診した女性患者に対するカウンセリング技法は著効を示した.
2.著効を示した理由は,患者がすでに治癒準備状態にあったこと,医師が治癒のための環境を整え,カウンセリングによって患者の自然治癒過程を適切に支援したことにある.
3.患者の試行錯誤の過程を尊重し,患者の自然治癒能力に信頼をおいた,患者と医師との関係は,啐啄同時という禅宗での修行解脱過程に類似している.
4.カウンセリングにはたくさんの流派がある.来談者中心療法Client-centered TherapyをはじめとするCarl Rogersの方法は,流派を超えて,カウンセリング技法の基本をなしている.
5,医療におけるコミュニケーション技法,医療面接技法においても,Rogersのカウンセリング技法がその基本となっている.
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