調査報告
福岡市東区における校区保健福祉活動の活発さと地域高齢者の健康度との関連
後藤 智江
1
,
鶴田 奈穂子
2
,
山﨑 玲子
3
,
西尾 真由子
4
,
八谷 杏美
1
,
隈本 秀勝
5
,
竹中 章
6
,
石井 美栄
3
,
鳩野 洋子
7
1福岡市南区保健福祉センター
2福岡市早良区保健福祉センター
3福岡市東区保健福祉センター
4福岡市こども未来局こども部
5福岡市南区地域整備部
6福岡市保健福祉局
7九州大学大学院医学研究院
pp.958-963
発行日 2015年11月10日
Published Date 2015/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200313
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はじめに
福岡市では小学校区(以下,校区)ごとに校区担当保健師を配置し,個人の健康問題解決と同時に,地域全体の健康度の向上へさまざまな活動を展開している。このうち,地域全体の健康度の向上に関しては,校区の住民が主体的に健康づくりに関わっていけるような啓発活動や,住民組織の育成,支え合いのある地域づくり等を行うことで,地域での保健福祉活動が活発になることを通じて,その実現に向けた活動展開を行っている。
このような活動は,個別事例への介入効果に比べて,その成果を示すことが難しい。そのため,このような取り組みの成果に関しては,大規模な調査研究として実施されているもののみである1,2)。しかし,地域での活動成果を示すことは,地域住民に対して活動の必要性の根拠を提示することにつながるとともに,自治体内での活動に対する理解の獲得,そして活動している保健師自身の活動に対する動機づけを高めるうえでも重要である。
そこで,保健師の活動の成果を示す試みの1つとして,保健師が日常活動の中において入手可能な既存データを用いて,校区の保健福祉活動の活発さを評価し,その活発さと校区の高齢者の健康状態や校区特性との関連を検討することにより,今後の保健福祉活動のあり方について考察したので報告する。
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