特別記事
自治体で「健康格差対策」に取り組むための5つの視点
近藤 尚己
1
1東京大学大学院医学系研究科保健社会行動学分野/健康教育・社会学分野
pp.950-956
発行日 2015年11月10日
Published Date 2015/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200312
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はじめに
健康日本21(第2次)が発表されて3年。国や自治体,企業など,さまざまな保健の現場で健康格差対策が進められている。ところが,現場からは「そもそも格差ってどう扱えばいいのかわからない」という声がいまも聞こえてくる。また,健康格差対策が,あたかも社会弱者への手厚いケアと同義であるかのような,単純化されすぎた議論が散見されている。
自治体でも,健康増進計画に「格差対策を進める」との文言が入ったところはあるが,健康格差対策を事業のマネジメントプロセスに組み込んで戦略的に進めている自治体は数えるほどしかない。
そこで本稿では,健康格差対策に取り組む際に重要と思われる視点を以下の5つに分けて解説する。
視点1:健康格差を縮小する新しい集団アプローチ
視点2:「見える化」による課題共有とPDCA
視点3:横断的・縦断的な連携による地域ガバナンス
視点4:健康無関心層に効果的な戦略
視点5:ライフコースにわたる対策
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