研究
生活習慣改善優先順位決定ツールを用いた保健指導の有用性の検討
下園 美保子
1
,
薬袋 淳子
2
,
安藤 大輔
3
,
山縣 然太朗
4
1帝京大学医療技術学部看護学科
2岐阜医療科学大学看護学科
3防衛大学校体育学教育室
4山梨大学大学院医学工学総合研究部社会医学講座
pp.48-56
発行日 2015年1月10日
Published Date 2015/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200081
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序論
近年の生活習慣病の増加や国民医療費の圧迫といった現状から,生活習慣病への対策はわが国の重要課題に位置づけられている1)。現在国では,特定健康診査・特定保健指導を義務化し,メタボリックシンドロームへの対策を強化している2)。また,2000(平成12)年に健康づくりの国民運動として制定された健康日本21の最終評価の結果3)を受け,2012(平成24)年に健康日本21(第2次)が策定されるなど,メタボリックシンドロームに限らない生活習慣病全体への対策を講じている4)。
しかしこうした国家戦略をしても,まだ生活習慣病の重症化の抑制や生活習慣を改善する人の増加といった成果が十分に表れているとは言えないのが現状である3)。こうした状況が改善しない理由の1つとして,保健指導の現場において,本来指導すべき事項に対して,時間が十分に確保できず,また科学的根拠をもった判断が困難な状況であることが考えられる。
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