連載 姫井先生と考える 健康に生き抜くためのヒント・20
協力的に見えるのに生活習慣が改善しない人たち―家族・上司・医療機関の連携の意義
姫井 昭男
1,2
1PHメンタルクリニック
2大阪医科大学神経精神医学教室
pp.1008-1012
発行日 2014年11月10日
Published Date 2014/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200024
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
健康増進のために保健指導を行うなかで,指導を行ってもうまくいかない,心に響かないという「慢性的に不健康な人たち」(7月号参照)がいます。彼らとは対照的に,健診や保健指導にはとても協力的で,助言に対して関心も示し,最後には感謝の意を表すなど,保健指導の結果が期待できるような印象を与える人たちがいます。しかしながら,その期待は裏切られ,健康状態は改善どころか,以前にも増して悪い結果を示すようなケースが存在し,最近増加傾向にあるのです。これらのケースは,保健師や産業医の力では健康に導くことが困難で,関係者全員で情報を共有し,関係者各々が共通の意識をもって対応する以外,健康を取り戻させることは不可能です。
今回はこうした人たちの健康状態の悪化防止や治療効果を上げるために,関係者が連携する意義と各々の役割についてお話しします。
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.