特集 救急
活動
大規模災害時の救急対策
三井三池災害の場合
各種医療機関の協力を得て
馬場 快彦
1
1福岡労働基準局
pp.230-234
発行日 1967年4月15日
Published Date 1967/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203444
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昭和38年11月9日,三井鉱山三池鉱業所三川鉱において爆発災害が発生し,爆発とそれに伴って発生した後ガスにより,坑内にて1,403名が罹災し,458名の死亡者と,およそ750名の一酸化炭素中毒症患者を出した。このように多数の罹災者が一時に発生したとき,その救急活動は三池鉱業所病院を主体に展開された。しかしこのような大規模災害ではその活動能力をこえたため,大牟田市医師会,国立療養所銀水園,荒尾市民病院,関連事業所などの医療機関の医師,看護婦などの協力によって救急活動がされた。坑内,坑外にわたり懸命に行なわれた救急活動の全般について,完全な記録は望めない状態であり,また救出者のうち435名は意識不明で倒れており,このなかに災害時の記憶のない者が178名あり,以後の調査によっても必ずしも完璧を期していない。さらに罹災生存者の救出活動は約19時間にわたっており,ここにはその救急活動の概況を示すにすぎない。
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