研究
特定健康診査の受診と受診プロモーションの認知度―フォーマティブリサーチの一部としての商店街聞き取り調査から
武田 典子
1
,
山口 幸生
1
,
千葉 寛子
1
1福岡大学スポーツ科学部
pp.54-61
発行日 2011年1月10日
Published Date 2011/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101514
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■要旨
本研究では,商店街従業員を対象として,特定健診の受診の有無とその理由および特定健診プロモーションの認知度と受診行動との関連を検討し,今後の特定健診の受診率向上のための戦略立案の基礎資料を得ることを目的とした。A市の7つの商店街で従業員170名に店頭で調査を依頼したところ,149名から承諾が得られた。そのうち40歳以上の国保加入者で属性に回答不備のなかった104名を分析対象とした。調査項目は対象者の特徴,特定健診の受診の有無とその理由,特定健診プロモーションの認知についてであった。
分析対象者のうち特定健診を受診していた者は26.9%であった。また特定健診プロモーションについて市からのDMを覚えていた者は33.7%であった。DMを覚えていた者のうち封筒を開けて中の資料を読んだ者が51.4%,開けたがよく読んでいない者が34.3%で,封筒を開けていない者は11.4%にとどまった。市の特定健診キャラクターを見たことがある者は5.6%で,キャラクターを見たことがある者とない者で受診率に有意な差がみられた。特定健診を受診していない理由としては「時間がない」「自覚症状がない」「既に病院に通っている」「何か見つかったら怖い」などが挙げられた。本研究の結果を現行の特定健診プロモーションに活かし,必要な内容についてはフォーマティブリサーチを行って,プロモーションをより効果的なものにしていくことが重要であると考えられる。
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