調査報告
大阪市鶴見区における乳幼児を育てる母親の生活習慣の実態および子育て状況との関連
中村 友香
1,2
,
松岡 由貴
1,3
,
二岡 えり子
1,3
,
後藤 美代
1,4
,
甲斐 八重
1,4
,
奥田 早苗
1,4
,
石井 陽子
1,5
,
江村 有希
1,5
,
石崎 宵子
1,5
,
草野 恵美子
6
1大阪市鶴見区保健福祉センター
2現,大阪市平野区保健福祉センター
3前,大阪市平野区保健福祉センター
4現,大阪市淀川区保健福祉センター
5現,大阪市保健所
6千里金蘭大学看護学部
pp.832-839
発行日 2010年9月10日
Published Date 2010/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101452
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■要旨
本研究では,乳幼児を育てる母親の生活習慣の実態を把握するとともに,子育ての状況と母親の生活習慣との関連を明らかにすることで,大阪市鶴見区における子育て世代の生活習慣病対策につなげることを目的とした。乳幼児を育てる母親を対象に,2008年6~7月に無記名の質問紙調査を実施し,合計627名から回答を得た。
生活習慣については,睡眠,朝食,間食,運動,喫煙,飲酒,適正体重の維持を中心に実態を把握した。とくに運動,睡眠において,望ましい生活習慣の維持が難しい実態が把握できた。その理由として,時間の制約とともに,子育てや家事が挙げられていた。また,子育ての状況と母親の生活習慣との関連について検討したところ,有意な関連がみられたのは,「子育ての協力・援助者の有無」「子どもに手がかかると思うかどうか」「子育てを大変と思う程度」「子育てに満足している程度」であった。子育ての協力・援助者がいない者や,子どもに手がかかると思う者,子育てを大変と思う度合いが高い者,子育てへの満足度が低い者のほうが,そうでない者よりも望ましい生活習慣を保ちにくい傾向がみられた。
子育て世代に対する生活習慣病対策では,子育て世代に特有の生活状況においても実施可能な方策が必要であること,さらに,子育てに関する負担感など心理的な要因も生活習慣に影響する可能性があることを念頭において,子育て支援と連動させた効果的な生活習慣病対策を考えていく必要性が考えられた。
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