連載 対応困難ケースに出会う保健師のためのメンタルヘルスの知識と技術・8
Clinical Conference 1:BPD症例
姫井 昭男
1,2
1大阪医科大学神経精神医学教室
2大阪精神医学研究所新阿武山クリニック
pp.66-71
発行日 2009年1月10日
Published Date 2009/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101132
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はじめに
「メンタルヘルスの知識と技術」シリーズの前半7回にわたって,保健師が関わるメンタル障害のなかでも,とくに対応に苦慮するメンタル障害について概説してきました。できる限り既存の教科書のような内容でなく,即現場で役立つような内容を提示してきましたが,今回からは,これまで扱ったメンタル障害の具体的なケースを取り上げて,どのような問題があるのか隠されているのか,どんなポイントに着目すべきかを指摘しながら解説していきます。
これから各回に例示するケースは,筆者が経験したケースや相談を寄せられたものを,個人が特定されることのないような加工を施し,実際に存在するケースのようにモデル化しています(内容はフィクションのようですが,すべて実際に遭遇する可能性のあるような状況を想定してモデル化しています)。また,公的機関で関わるケースと職場で関わるケースなど,できるだけ異なった環境における対応の方法や考え方を例示し,できるだけ多くのケースに対応できるように工夫したつもりです。取り上げるメンタル障害によっては,実際に当事者に接する対応だけでなく,当事者には会うことがなく関係者からの相談という形で意見を求められることもありますので,その点も含めて例示しました。今回は第2回(7月号)で紹介したBPDのケースです。
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