産科超音波診断法の実際・6[最終回]
胎児計測—GS・CRL・BPD・躯幹および四肢
一宮 和夫
1
1東京医科歯科大学産婦人科
pp.967-970
発行日 1982年12月25日
Published Date 1982/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206131
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はじめに
近年,超音波診断法の急速な発達により,子宮内胎児の諸計測が可能となり,われわれに種々の情報を与えてくれるようになってきた.胎児の管理は分娩時のみばかりではなく,妊娠全期間を通じてその発育度もしくは成熟度をチェックすることが肝要であり,その意味では超音波診断法は,非常に有用である.初期の超音波診断法では,AモードによるBPD(大横径)の測定のみであったが,Bモードの発達,とりわけ探触子を容易に移動させることができる電子スキャンの発達により,胎児のあらゆる部分の像を描写することができるようになってきた.その結果,胎児の発育の指標として種々のものがとりあげられてきているが,単一のものでは十分な相関が得られず,最近は複数のパラメーターを組合わせて,胎児の成熟度の指標とする試みがなされてきている.この1〜2年に発売された電子スキャンの機器には,マイコンを内蔵して,GS径やCRLの測定値より,逆に妊娠週数を算出するシステムもとられるようになってきている.
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