研究
男性の介護予防活動参加に向けた介護予防ニーズ調査
鳩野 洋子
1
,
坂梨 めぐみ
2
,
綾部 真理子
2
,
米澤 洋美
3
1九州大学医学部保健学科地域・精神看護学
2八女市健康課
3福井大学医学部看護学科
pp.936-941
発行日 2008年10月10日
Published Date 2008/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101080
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■要旨
男性の介護予防ニーズと,ニーズの高い対象の背景を探ることを目的に,某地域の55~74歳の男女を5歳ごとに住民基本台帳から層化抽出し,設定した18の介護予防のリスクを探る項目について郵送質問紙調査を実施した。
58.0%の回収が得られ,このうち介護保険認定者を除く1331名を分析の対象とした。その結果,10項目においてリスクの有無の割合に男女で有意差が認められた。男性のほうがリスクをもつ人の割合が高かった項目は,「家事能力」「身だしなみ」「友人・知人との交流」「家庭内外での役割」「知的活動の実施状況」であった。また,リスクを有する数を得点化したところ,男女で得点の差はみられなかった。さらに男性について得点の高い群と低い群の背景を比較したところ,得点が高い群のほうが就労している人の割合が高かった。
男性の介護予防ニーズも女性と同様に存在するが,その内容は異なっていることが明らかとなった。本結果の内容は地域性が反映されている部分があることが考えられ,性差や地域特性を考慮した介護予防活動のプログラムの必要性が示唆された。
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