研究報告
後期高齢者のふれあい活動への参加経緯について―住民主体の介護予防活動を通して
松岡 広子
1
1愛知県立看護大学
pp.614-618
発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100745
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はじめに
2003(平成15)年4月の調査によると,65歳以上の高齢者全体に占める要介護認定者数の割合は14.0%であり,約85%は介護サービスを必要としていない元気な高齢者である1)。近年,このような元気な高齢者に対する生きがい対策や寝たきり予防対策が重要視されつつある。
1999年度に創設された「在宅高齢者保健福祉推進支援事業」は,介護保険給付の対象とならない保健福祉サービスであり,地域の実情に応じて実施することができるように考えられた。介護保険制度の運用が開始された翌年には,それをさらに拡充・強化し「介護予防・生活支援事業」が創設された。現在,介護予防事業は,全国的に広がり,地域の特徴を生かしたさまざまな取り組みが行なわれている。
老人保健法に基づく保健事業第4次計画においても,介護予防対策等の推進があげられていることから,保健師や看護師が中心となって関わる介護予防事業2)は少なくないが,地域住民が中心となって支援する介護予防事業3)も存在する。両者とも一般に介護保険認定対象外の高齢者を対象としているが,後者は機能訓練よりもレクリエーション的要素が強く,家に閉じこもりがちな高齢者が集える場を住民やボランティア支援のもとに提供しているといえるだろう。
そこで本研究では,地域住民が主体となって活動している介護予防活動に焦点を当て,後期高齢者が自発的にその活動に参加した経緯を明らかにし,家族や地域住民による介護予防のあり方を検討した。
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