連載 ニュースウォーク・127
まず削減ありき,では?―療養病床改革のお先
白井 正夫
1
1元朝日新聞
pp.932-933
発行日 2008年10月10日
Published Date 2008/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101081
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北京五輪の閉会とともに「熱かった夏」が終わった。日本選手の数々のメダル物語のなかで,私が北島康介の平泳ぎ2冠よりも感動したのは,女子柔道78kg級塚田真希の銀メダルだった。
宿敵,中国の文(トンウェン)との決勝戦。ポイントをリードして,残り時間は8秒。組み手を突き放して守ればいいのに,塚田はずずっと前に出た。その瞬間,大きな体が背負い投げで崩れ,「金」がこぼれた。周りの悔やみきれない表情のなかで,本人は「前に出て戦うのが私の哲学。文さんが強かった」。テレビをみながら愚直なまでの何という不器用さと思った。でも,こんな時代に己の哲学を貫いたメダルにこそ光るものがある。
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