フィジカルアセスメントを学ぼう・20
介護ニーズの評価
箕輪 良行
1
1自治医科大学附属大宮医療センター総合医学
pp.817-820
発行日 1999年10月15日
Published Date 1999/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901894
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どのくらい自立して生活できるか,どういう介護が必要になるか,という評価を行なおうとすれば,それは在宅高齢者の機能をみることになります.医学的な視点とは別のものの見方が求められます.従って医療関係者には最も苦手で,しばしば手抜きをしてしまうところです.在宅ケアの現場で簡便に使える方法を知って慣れることから始めましょう.病的な状態をさけて長く機能を保ちながら健康な人生を送れるようにと誰もが願っています.
社会に出て役割や職業を遂行するレベルの機能から,車の運転や電車,バスの利用といった毎日の生活に必要な機能,電話をかけるあるいは銀行キャッシュサービスを使うという現代生活に必須の活動,身仕度,入浴,排泄などの個人的ケアまで様々な段階の機能が日常生活を支えています.老人にみられる機能の喪失は,必ずしも病気や疾病でおかされた部位と関係しないこともあります.今回もHさんの機能と介護ニーズをまず初めに考えてみて下さい.
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