連載 ニュースウォーク・126
普遍性欠き「凍結」終末期相談支援料
白井 正夫
1
1元朝日新聞
pp.820-821
発行日 2008年9月10日
Published Date 2008/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101062
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今年初め,知人がこんな原稿を書いてみたと送ってきた。医学・医療用語は,日常の日本語とかけ離れた“浮世離れ語”が多すぎはしないか,というのだ。「胃瘻(いろう)」「侵襲」「寛解」「郭清」などを取り上げ,医療者にしかわからない専門語が平気で患者に向けられているのを嘆いていた。
その原稿を直したり補足したりしていて,私なりに興味も疑問もわいた。たとえば,高齢者医療の場でここ十年,急速に広がった「胃瘻」。食べる力が衰えた人の腹壁と胃に穴を開けて管を取り付け,胃に直接高カロリーの栄養剤を流し込む。医療者の間では「PEG」で通るが,医師は患者・家族には「そろそろ胃瘻を取り付けたほうがいいのでは」ともちかけられる。
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