連載 保健師教育の未来 東京大学「保健師コース」の実践をもとに,上乗せ教育の可能性を考える・1【新連載】
修士課程「保健師コース」開設の意図と経過
村嶋 幸代
1
,
臺 有桂
2,3
,
有本 梓
1
,
田口 敦子
1
,
永田 智子
1
1東京大学大学院医学系研究科地域看護学・行政看護学
2前東京大学大学院医学系研究科地域看護学・行政看護学
3現横浜市立大学医学部看護学科
pp.742-747
発行日 2008年8月10日
Published Date 2008/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101047
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連載の趣旨
看護系大学における保健師教育は,もはや看護界が回避できない大きな問題になっていると思う。5月23日に開催された日本看護系大学協議会の総会では,2008年見解(案)に対して,各会員校から寄せられた意見が書面と口頭で報告された。なかには,現行の方式を肯定する意見のほかに,「現在の看護系大学における保健師教育には問題が多い」とし,「保健師教育は,看護師教育の上乗せで,修士課程で実施すべき」という意見が少なからずあった。会員校からの意見として,現行の看護系大学における保健師教育の問題点が指摘されたことの意味は大きい。
また,2008年3月22日に開催された「日本保健師連絡協議会」の設立総会でも,「看護系大学で保健師教育を卒業要件としていることの撤廃」「看護師養成4年,保健師養成上乗せ2年の教育体系を」の提言が採択された。フロアーからは,現在の看護系大学における保健師教育の問題点が次々に指摘され,この問題解決に,保健師たちが重点的に取り組む必要性が指摘された。
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