活動報告
モロッコにおける現地看護職への地域看護介入方法の伝達上の課題―僻地村落部における母子保健活動経験から考える
松尾 和枝
1
,
酒井 康江
1
,
江島 仁子
2
1日本赤十字九州国際看護大学地域看護学
2甲南女子大学
pp.264-269
発行日 2008年3月10日
Published Date 2008/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100955
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
日本赤十字国際看護大学は,2002(平成14)~2005年度の間,JICA(Japan International Cooperation Agency)の国別特設「モロッコ地方村落部妊産婦ケア改善プロジェクト」の研修を担当しており,毎年,モロッコの保健医療看護関係者を受け入れていた。モロッコの母子保健の最大の課題は妊産婦死亡率の高さであり,とくに都市部の187に対し,地方村落部は267(2004年保健省調査)と地域格差が著しいことである。
われわれは,研修の担当をとおして現地の医療体制の地域格差を理解し,地域の看護職が担う役割は大きいと考えた。そこで,2004年度より3年間,途上国地方村落部の実態に応じた地域看護介入方法の検討を目的に,モロッコ僻地村落部(無医地区)で地域実態調査活動を行った。本報告では,2006年度に筆者らと現地看護職が行った地域看護活動を紹介するとともに,それらをもとに現地医療職と意見交換した結果から,僻地村落部の看護職に地域看護介入方法を伝達するうえでの課題について検討する。
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.