特集 保健所改革のポイント
地域のなかの保健所
ポイント5 僻地をかかえた保健所—僻地にある保健所
西田 弘
1
,
井上 一男
2
1愛媛県久万保健所
2北海道池田保健所
pp.534-537
発行日 1971年9月15日
Published Date 1971/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204328
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与えられたテーマは"僻地をかかえた保健所"であるが,表題のように僻地にある保健所について構想を述べてみたい.それは私が現在勤務している保健所は僻地にあり,管内の一部に僻地をかかえているというような地域ではなくて管内はすべて僻地であるので,このような保健所--新しい型別のL型(人口稀薄な地域)保健所--について改革するとすればどうすればよいか考えてみたからである.
従来からわが国では保健所に勤務する医師は少なく,とくに近年この傾向は著しくなりつつあり僻地の保健所では医師の欠員が目立ってきている.そしてこのまま推移すれば,やがて僻地の保健所は廃止統合を余儀なくされ,地域住民へのサービスの低下を招くことは明らかである.これを防ぐには医師が定着して勤務するよう--僻地の保健所が医師にとって働きがいのある魅力ある職場となるよう--改革される必要があろう.そこで私は僻地では郡単位で地域保健医療センターともいうべき機構をつくることを提案したい.
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