調査報告
農村地域に暮らす高齢者の生活ニーズとソーシャル・サポートの検討―サービス提供者のフォーカス・グループ・インタビューから
小林 恵子
1
,
平澤 則子
1
,
飯吉 令枝
1
,
斎藤 智子
2
,
安梅 勅江
3
1新潟県立看護大学
2群馬大学
3筑波大学大学院
pp.258-263
発行日 2008年3月10日
Published Date 2008/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100954
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■要旨
高齢者世帯が地域で自立した生活を維持するためのニーズと支援体制のあり方を検討するために,豪雪・中山間地域であるA町と都市近郊農村地域のB村において,高齢者へのサービス提供者を対象に各2回のグループ・インタビューを行い,複合分析した。インタビュー項目は,「高齢者のサポートニーズ」「ソーシャル・サポートの課題と必要な仕組み」である。
その結果,「高齢者のサポートニーズ」として,[人との交流・社会参加][健康な生活への取り組み][日常生活の営みのサポート][急変時のサポート]が抽出された。「ソーシャル・サポートの課題と仕組み」としては,【自助】として[高齢者の意識改革][住民参加の促進],【共助】として[相互支援][ボランティアの拠点づくり,周知と運営][高齢者のSOS(急変)を早期にみつけて助ける仕組みづくり],【公助】として[高齢者のニーズ把握と話し合いの場づくり][緊急時の支援システム][住民・行政・医療機関等の協働][支援システム検討の場の確保]が抽出された。
過疎,世帯員数の減少,高齢化率の上昇により,自助,公助の限界から共助を推進してきたA町では,共助についての具体的な課題が抽出された。B村も今後,自助と公助では限界があるため,共助の取り組みが推進されていくと予想される。
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