Japanese
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特集 地域リハビリテーションの新たなる展開
地域リハビリテーションにおける保健所の役割―機能訓練事業を通して
The Role of Health Center in Community-Based Rehabilitation.
大田 仁史
1
Hitoshi Ohta
1
1伊豆逓信病院リハビリテーションセンター
1Rehabilitation Center, Izu Teishin Hospital
キーワード:
地域リハビリテーション
,
保健所
,
機能訓練事業
Keyword:
地域リハビリテーション
,
保健所
,
機能訓練事業
pp.311-313
発行日 1992年4月10日
Published Date 1992/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107049
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はじめに
在宅で障害者や機能の不自由な老人が安心して生活するには,地域資源として,24時間の相談業務,緊急時通報,デイケア,デイサービス,ショートステイ,ホームヘルプ,訪問看護,往診,緊急時入院,住宅改造,補助器具の貸与,各種のボランティア,そして終の住みかの保証など必要なことが多い.これらの資源が需要を満たし,体系的に整備されるというのが理想だが,わが国の現状は理想にはほど遠い.
少ない資源を有効活用するには,連絡・連携が第1と思われるが,医療・保健・福祉間の連携はまだまだ歩みが遅く,「うまくいっている」という報告もいまだ「希有なる1例」の域をでない.
24時間の支援体制が取り沙汰される昨今,バックアップ体制が整わないままでの公的機関の完全週休2日制は時代の要請に逆行しているようにもみえる.利用者と保健所との心理的距離は遠いものとなる恐れもありそうだ.
このように,多くのことが不十分な中で,地域のリハビリテーション事業の核になると思われるのが機能訓練事業である.市町村の事業ではあるが,保健所との関係は深い.これからの地域のリハビリテーションはこの事業を軸とし,その周辺をどのように膨らませ充実させていくかにかかっていると考えられる.
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