調査報告
若年女性(学生)に対する効果的な性教育について―性に関する意識,行動,受けた性教育からの考察
服部 由佳
1
,
鈴木 ひとみ
2
,
菱田 知代
3
,
川井 八重
3
,
畑下 博世
3
1滋賀医科大学附属病院
2滋賀医科大学大学院医学系研究科
3滋賀医科大学医学部看護学科地域生活看護学講座
pp.456-463
発行日 2007年5月10日
Published Date 2007/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100785
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■要旨
若年女性の性に関する意識や性行動,受けた性教育の実態から望まれる性教育を明らかにするために,18~22歳の女性151名を対象に質問紙調査を実施した。質問紙では,対象者の性行動と性に関する認識を調査し,同時に性教育の各項目について,小中高等学校のどの時点で誰から学んだか,またそれを主観的に振り返って,各自が「満足度」と「役立ち度」を評価尺度により記入する調査とした。
その結果,若年女性は避妊の必要性や妊娠,性感染症などのリスクに対する認識はあるにもかかわらず,性行動は感情や雰囲気に影響を受けやすい傾向にあると考えられた。また学校の性教育は適切な時期に段階的に行われているが,対象者の評価は心理面や人工妊娠中絶の項目で「満足度」「役立ち度」ともに高いとはいえなかった。今後は,ニーズに合致した教育内容・方法への改善が望まれる。
そのためには地域保健・地域看護関係者によるカリキュラム作成から評価までの一貫した協働が重要であり,性行動に関するクリティカルシンキングおよび情報リテラシーの促進とピアカウンセリングなどの事業を地域実態に即して展開することが必要と思われる。
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