研究・調査・報告
高等教育を受けた女性の生殖についての意識と行動に関する研究—その1
山口 真
1
1ユネスコ・アジア文化センター
pp.410-418
発行日 1974年8月25日
Published Date 1974/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204733
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1.まえがき
最近,資源・環境・人口の危機が地球的規模で叫ばれている。人口問題について日本では「人口問題はもっぱら低開発国の問題であって,日本やアメリカ,西ヨーロッパなど開発の進んだ国の問題ではない」という誤った認識がある。
厚生省人口問題研究所が昭和48年5月に実施した第6次出産力調査によれば,いま夫婦が平均して子ども1.9人をもっている。これはやがて人口を静止させる子ども数ではあるが寿命の伸びにより死亡数は2人に満たないし,結婚年齢にある青年人口が極端に多いことから,ここしばらくは出生が増加し,人口は21世紀の初めに1億3,500万を越えたところでようやく静止することになるといわれている。人口問題は市民生活に大きくかかわる問題であり,とくに子どもを生む性である女性に関係が深い。
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