研究・調査・報告
妊婦が受けてきた性教育と妊婦の性知識・性意識との関係
石松 直子
1
,
藤田 八千代
2
1元:東邦大学看護専門学校
2神奈川県立衛生短期大学
pp.481-489
発行日 1982年6月25日
Published Date 1982/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206036
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はじめに
「1970年代は性教育の時代」1)と言われたほどに,性教育問題は急速にしかも広域に取り沙汰されてきた。しかし一方では,身体成熟の加速現象やマスコミによる性情報の氾濫,価値観の多様化による性の解放などに伴い,性犯罪や人工妊娠中絶の低年齢化をきたしている現状である。筆者の石松は過去数年間の産科勤務において,人工妊娠中絶を受ける数多くの女性に遭遇してきた。その中でこの女性たちははたして性教育を受けてきたのだろうか,またその性教育はどのようなものであったのかなどの疑問を持ち続けてきた。そこで性教育を回数多く受けた妊婦や,性教育を受講したことが性に関する情報源となっている妊婦は,そうでない妊婦より性知識があり,母性としての意識が高いのではないかと考え,これを実証するために調査を行なった。
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