研究・調査・報告
看護学生の性および母性意識に関する一考察
山下 タケ子
1,2
1前・富山市立看護専門学校
2現・富山市民病院
pp.400-404
発行日 1989年5月25日
Published Date 1989/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207619
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はじめに
かつて看護教育で性の問題を取り上げることはタブーであった。しかし近年,看護婦にも性に関する援助能力が求められ,基礎看護教育の分野でも性教育の必要性が認識されはじめている。性の問題は単に行為の問題ではなく,その人の生き方にかかわるものであるから,援助する際には援助者の考え方や人間性が大きく影響を与える。したがって援助者には「人間の生き方としての性」についてしっかりとした哲学が必要である。基礎看護教育における性教育の目的も,まさにこの哲学をもたせることにある。
今回は,将来における基礎看護教育における性教育の基礎資料とするために,看護学生の性および母性意識の調査を行なった。これまで社会人や一般学生を対象とした調査はある程度行なわれているが,看護学生を対象としたものはごくわずかである。この調査は,性教育ばかりでなく,日常の学生の生活指導にも生かせるものと考える。
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