連載 カナダ・レポート:「発達障害」の子どもたちへの支援・【最終回】
その子どもと,家族と,コミュニティを育む援助の技法
足立 佳美
1
1神戸親和女子大学
pp.248-251
発行日 2007年3月10日
Published Date 2007/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100771
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「発達障害の子どもへのサポートは全人的(トータル)なものであること,そのサポートの対象に,子どもの家族を含めること,そして,子どもの未来をも含めること」。カナダのブリティッシュ・コロンビアBritish Columbia州(以下,B.C.州)で,インタビューに応じてくれた専門職,行政職,NPOやボランティアグループの人たちの総意である。
かれらにとって,「全人的なサポート」とは何か。それは,身体的,精神的,社会的,スピリチュアルな面を包括しており,1999年のWHO総会において提案された,健康の定義に関する一文*1を意識して語る人が多い。また,「サポートのゴール」についても,かれらの意見が重なる。「その人が,コミュニティの一員として,その人らしく,こころ満たされて生きていくこと」という。
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