特別記事
熊本県における産後うつ病への取り組み
吉田 由美
1
1熊本県健康福祉部少子化対策推進課
pp.1090-1094
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100591
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子育て中の母親の現状と母親の心のケアの必要性
近年,乳幼児の健康診査など身近な場面で,直接母親から「子どもをかわいいと思えない」「子どもと2人だとイライラする」「子どもに手をあげる親の気持ちがよくわかる」といった声が聞かれるなど,育児の負担感や育児不安を訴える母親が増加しています。また,地域の子育て支援センターやつどいの広場のような親子で参加する場面でも,親子の関わりのまずさや,引きこもりがちでほかの親子と交わることができないなど,子どもの情緒や社会性の発達への影響が心配される状況が見られるなど,気がかりになる親子が増加してきました。
そういう母親のなかには産後うつ病の親が少なからずいると思われますが,これまでの保健事業は,身体面を中心とした内容が中心で,育児不安や産後うつ病といった精神面への配慮が不足していたと思われます。
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