連載 フィールドワーク往復絵手紙・4
占いは人びとの思いを映す鏡
星野 晋
1
1山口大学医学部・文化人類学(医療人類学)
pp.384-387
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100486
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わが家では,毎朝テレビの星占いを見てから,子どもたちは学校へ,私は職場へ向かう。いや別に占いを本気で信じているわけではない。今日の運は良いの悪いのという家族の会話が,その日1日のリズムのようなものを作ることを楽しんでいるのだ。
人が占いを求めるのは,仕事や人間関係や病気などの何かに悩み,判断や決断ができずにいる場合のことが多い。恋,結婚,仕事,人間関係,そして病気などなど,人生には判断や決断を悩む場面が幾度もある。自分で決められなければ,家族や親しい人に,あるいは専門家に相談する。それでも決まらないならば,超自然や神様の出番だ。占いは,ものごとを決める理由とヒントを与えてくれる。
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