グラフ
おだやかなひかりに姿を映す—香川県立中央病院
pp.14-19
発行日 1974年1月1日
Published Date 1974/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205236
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去年の夏はたいへんだった.ひどい水飢饉が香川県一帯を襲ったからである.水を豊富に使うことによって成り立っている文化生活は,たちまちのうちに悲鳴をあげた.水洗便所は使えない,風呂にははいれない,洗濯ができないと.これはまさに,今,世間に吹きまくっている石油不足のもたらしたショックにも似た状態であった.なんといってもいちばん困ったのが病院であった.
500人の入院患者を抱え,1日1200人にものぼる外来患者の診療を引き受けている香川県立中央病院は,大所帯であるだけに,その影響もいっそう深刻であった.運の悪いことに,一昨年12階建の近代的な病院に生まれかわったときに,2つの地下タンクを埋めてしまったからである.
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