Japanese
English
研究と報告
「占い遊び」を契機として発症した心因性精神病について
Clinical Studies on Psychogenic Psychoses Caused by a Game of Fortunetelling
渡辺 雅子
1
,
榎本 貞保
1
,
松本 啓
1
Masako Watanabe
1
,
Sadayasu Enomoto
1
,
Kei Matsumoto
1
1鹿児島大学医学部神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, Kagoshima University
キーワード:
Psychogenic psychosis
,
Game of fortunetelling
,
Invocations psychosis
Keyword:
Psychogenic psychosis
,
Game of fortunetelling
,
Invocations psychosis
pp.1343-1348
発行日 1980年12月15日
Published Date 1980/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203196
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抄録 幻覚妄想状態や憑依状態は,精神分裂病以外の病態においてもあらわれることが知られている。その代表的なものとしては,森田の「祈祷性精神病」があげられ,これまでに精神病理学的にあるいは文化精神医学的に考察が重ねられている。
われわれは最近,「こっくりさん」,「キューピット」などの占い遊びを契機として幻覚妄想状態,人格変換,夢幻状態,憑依状態などを呈した思春期女子8例を経験し,「祈祷性精神病」と同一線上にある心因性精神病としてとらえることができた。その個人的社会的背景としては,患者の知的レベルの低さ,および,患者をとりまく学校や家庭の状況,特に養育者の迷信的態度がその発症要因として重要であると考えられた。
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