特集 内科医のためのクリニカル・パール2
臨床研究
臨床研究のクリニカル・パール―抄録はあなたの頭のなかを映す鏡である
栗田 宜明
1
,
福原 俊一
1
1京都大学大学院医学研究科医療疫学分野
pp.1654-1657
発行日 2013年9月10日
Published Date 2013/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106998
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わが国の臨床研究は,基礎医学研究と比較して低調であり,主要臨床医学雑誌におけるわが国の貢献度は現在25位である1).一方で,わが国の臨床医はきわめて勤勉であり,多忙な診療の合間を縫ってデータを集めて分析し,学会発表に勤しんでいる.それにもかかわらず,発表された研究の多くは医学論文として国際的学術誌に受理されるまでに至らない.識者は多くの要因を挙げるが,なかでも最も大きな理由の一つが,臨床研究の「black box」の中身を卒前・卒後教育で教えられることがなかったことにあると筆者は考えている(図1).「black box」とは,研究デザインを意味する.
本稿では,臨床研究において教えられなかった 「black box」=研究デザインの重要性を解説する.解説の方略として,学会抄録例のブラッシュアップを試みる.
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