特集 精神衛生
占いに集る心
奥山 益朗
1
1朝日新聞社
pp.64-65
発行日 1958年5月10日
Published Date 1958/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201641
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占う人,占われる人
気候がよくなつて来ると,夜の街角に立つ占師が目立つ.よろい戸をおろしたデパートの入口に,のみ屋横丁の一隅に,占師は初夏の街をいろどる風物誌の1つかもしれない.しかし,占師で生活ができるということは,それだけ占いを信じる人がいるということ.つまりは人々の心の中に藁にもすがりたい不安が宿つていることの証明のようなものだ.
新橋ののみや横丁のすみに,いつも店を張つているFさんは,この世界にもう20年.まず,占師の見た世相をたずねてみた.
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