特集 災害・被害を受けた住民への支援 暮らしとコミュニティの再建をめざして
―東海村ウラン臨界事故―住民の不安に対応するために
佐藤 正
1
,
斉藤 昭子
1
,
黒江 悦子
1
,
田邊 好美
1
,
堀江 美恵子
1
,
小坂 由紀子
1
,
福田 於美
2
,
大高 恵美子
3
,
澤畑 恵子
4
1茨城県ひたちなか保健所
2茨城県大宮保健所
3茨城県日立保健所
4東海村
pp.324-327
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100477
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東海村ウラン臨界事故とは
1999(平成11)年9月30日(木)午前10時35分ころ,茨城県東海村のウラン加工施設で臨界事故が発生した。わが国では初めてであった。事故現場から半径350m圏内住民への避難要請,半径10km圏内住民への屋内待避要請が行われた。
この事故により,3名の従業員が重篤な被ばくを受け,うち2名が亡くなった。また,3名の従業員を搬送した消防署員,臨界状態の停止作業に従事した社員,および事業所周辺の住民ら数百人が被ばくした。事故後1か月間の身体汚染表面検査者は7万6000名,健康相談者は5700名であった。また,茨城県産の農畜水産物の取引停止や価格下落,旅館や観光地でキャンセルなどの風評被害が出現した。
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