特集 災害・被害を受けた住民への支援 暮らしとコミュニティの再建をめざして
―毒物混入カレー事件―被害者支援で発揮された保健所の多機能性
永井 尚子
1
1和歌山市保健所
pp.318-322
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100476
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毒物混入カレー事件とは
1998年(平成10年)7月夕刻,自治会主催の恒例の夏祭り会場で事件は起こった。祭りに参加した地域の住民たちが次々に激しく嘔吐し,地元の医療機関へ殺到。市内の全救急隊が出動,1~69歳の67名が13医療機関にて受療し35名が入院した。全員が,夏祭り会場でカレーを喫食していた。
事件発生後約9~15時間後に4名が死亡した。新たに2名が受診し,被害者は69名となった。うち4名が妊婦であった。事件後8日目に被害者の胃の内容物などから砒素が検出され,急性砒素中毒であることが判明した。
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